最も繊細で、後ろ髪引かれる香り。「愛」をテーマにした仏フレグランスメゾンD’ORSAY(ドルセー)のA.C.をご紹介いたします

それは、カップルのための「愛」をテーマにしたフランスのフレグランスメゾン。
どこまでも儚げで、身に纏う人の背後に佇むような美しい香り。
さまざまなフレグランスメゾンを経て、辿り着いた喜びを伝えたい。

知る中で、最も繊細。フランスらしい上品さと香りの統一感が記憶に残るフレグランスメゾン「ドルセー」をご紹介できたらと思う。

200年の時を経て復刻した、アルフレッド・ドルセーの愛の物語に全身で引き込まれてみてほしい。

カップルのためにデザインされた香水はまるで愛の在り方のようです。気配り、生意気、洗練、矛盾、初々しさ、電撃的、衝動的、夢見がち、秘密、幻惑…。それぞれのフレグランスは手がかりとなるフレーズから名付けられ、決して正体が明かされることのないある人物のイニシャルがネーミングされている。
ドルセー公式サイトより

D'ORSAY(ドルセー)

今回は、D’ORSAY(ドルセー)から、ミステリアスなバニラ香水「A.C.(エーシー)」をご紹介したい。

香水ではなく肌の香りかのような錯覚に陥る、柔らかく繊細な香り立ちの仏フレグランスメゾン「D’ORSAY(ドルセー)」とは

200年の時を経て蘇った、「ドルセー」の愛の物語。さまざまな愛の形を香りを通して表現する

D'ORSAY(ドルセー)

D’ORSAY(ドルセー)は、アルフレッド・ドルセーの愛に生きた人生を体現したフレグランスメゾン。
19世紀に50にわたる香水を発表してきたメゾンの復刻、いわば新生ドルセーとも言えるだろう。
幼少時代より香りに魅了されてきた創業者アメリー・フインが、ドルセーの歴史や人生、愛の物語にインスパイアされて2015年に立ち上げたブランドである。

D'ORSAY(ドルセー)

さまざまな愛のかたち、肉欲、感情や親密さを表現することでアメリーはドルセー物語の続編を語り継ぎます。

オリビア・ジャコベッティ、マーク・バクストン、キャリン・シュヴェリエ、ベルトラン・ドゥシュフール、ファニー・バル、ヴァンサン・リコーなど業界を牽引してきた偉大な調香師たちと協力し、 メゾンの伝統を守り続けながらも、香りの展開に個性と新鮮さをもたらしていきます。

数多くの有名調香師を招き、ドルセーの哲学を再解釈した香りと物語には、思わず没頭し陶酔してしまうような中毒性がある。
その香りの特徴について、ご紹介できればと思う。

あっと思うと消えてしまう、繊細で後ろ髪引かれる「D’ORSAY(ドルセー)」の香り

ドルセーの香りの秘密は、匿名性とフェティシズム。

D'ORSAY(ドルセー)

ブランドを代表する香りは「C.G.(どこか他の場所へ行きたい)」
1915年に発表されていた「ティユル」という歴史的香水を引き継いだ作品である。
芽生えかけた愛を思わせる、グリーン調の美しい香り。

他にも、16種類の香りが発表されている。

ドルセーの香りは一言で言うと、「後ろ髪を引かれる」香りだと思う。
一瞬香ったと思ったら、次の瞬間にはいなくなっている。
ほんの短い時間なのに、脳に鮮明に残る忘れられない香りをいつまでも探してしまう、そんな感覚。

ドルセーらしいミステリアスな世界観を構成している大きな要因が二つあると思うのだが、
一つは、その「匿名性」。
ドルセーの香りのタイトルは全て匿名のイニシャルで作られている。
この香りの背後にはどんな女性(または男性)がいたのだろう。
そう想像力を掻き立てられる楽しみも香りと一緒に味わえるのである。
(ぜひ、今回ご紹介する A.C.に限らず、他の香りのストーリーも見てみてほしい)

二つ目は、アルフレッド・ドルセー自身の香りに対するフェティシズム。
彼が香水を作り始めたのが、「恋人と同じ香りを身に纏うため」と聞いたとき、ドルセーの香り立ちについてとても腑に落ちたのを覚えている。

それは、本当に肌のような香り。
良い香りのする、肌。
スキンフレグランスといえば、私の中ではドルセーなのである。

D'ORSAY(ドルセー)
画像出典:D’ORSAY 公式サイト

価格帯
21,450円〜
ポイント
・200年以上の伝統と歴史を携えて復刻した新生ドルセー。肌馴染みの良いスキンフレグランスが使いやすい
・匿名性のあるイニシャルで香りを名付けたミステリアスなラインナップ。引き込まれるような世界観を持っているメゾンフレグランス

最後に、ドルセーの中で最も心奪われた1本をご紹介したい。

離れられなくなった「D’ORSAY(ドルセー)」のバニラ香水をご紹介

甘い香りが苦手な筆者が初めて好きになったバニラ香水。
渋く深みのあるウッディノートの中に甘さがふっと顔を出す「A.C.(謎に迫っていた)」

D'ORSAY(ドルセー)

D’ORSAY(ドルセー) A.C.(謎に迫っていた)

甘さの定義というのは香りの中でも一番難しいと思う。フルーティーな甘さ、グルマン調(スイーツ)の甘さ、フローラルの甘さなど、ジャンルが違う上に、甘さを感じる受容体にも人それぞれの個性がある。私自身は特にグルマン調の甘さが非常に苦手だった。(バニラも含む。酔いそうになってしまうのである)
そんなグルマン嫌いの私の固定概念をひっくり返したのがこの香水である。
渋くて甘い木の香りの中に、ほんのり香ばしい、しょっぱさも感じるようなバニラを微かに感じる香り。グルマンが苦手な人には是非おすすめしたい(バニラ好きの友人曰く、A.C.は全く甘くないらしいから、甘さが物足りない方がいたらご容赦願いたい)。


参考価格:21,450円税込
※2024年3月22日時点の情報です。

最後に


画像出典:D’ORSAY 公式サイト

今回は、D’ORSAY(ドルセー)のブランドストーリーとおすすめ香水についてご紹介した。
スキンフレグランスや、淡い香り立ちが好きな方にはぴったりのブランドなので、ドルセーの表現する愛の物語を通して、運命の香水に出会っていただけたなら嬉しく思う。

D'ORSAY(ドルセー)